Schubert: Piano Sonata in B-flat; Schubert-Liszt: Four Songs; Liszt: Mephisto- Evgeny Kissin

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キーシンによるシューベルトとリストのアルバム。2003年の来日公演とほぼ同じプログラムだ。シューベルトの最後のソナタからはじまり、シューベルトの歌曲(リスト編曲)が続き、最後はリストの「メフィスト・ワルツ」で締めくくられる。

プログラムの最初にシューベルトの大曲をもってくるのがスゴイ。この曲の壮大な世界を十分に表現している演奏だといえる。音が鳴り出した途端、別世界にひき込まれるようだ。

続く歌曲では、歌い手と伴奏者の両方の役割を1人でこなしてしまう表現力が素晴らしい。ピアノで歌曲の旋律を表情豊かに歌わせるのは難しいのだが、キーシンの演奏は実に滑らかで美しい。ピアノ編曲版ならではのヴィルトゥオジック(名人芸的)な表現もさすがだ。

最後のメフィスト・ワルツのメリハリのきいた演奏も見事。ただ、筆者がサントリーホールで聴いた「メフィスト・ワルツ」のライブ演奏はこんなものじゃなかったような気がする。あの時のキーシンは熱気が尋常ではなく、神がかっていた。やはり、スタジオ録音ということで、「完璧さ」が優先されるのだろうか?ライブでの熱気はイマイチかも。まあ、それを差し引いても名演であるには違いないのだが…

ともかく巨匠・キーシンの表現力が存分に味わえる1枚だ。