ベートーヴェン:交響曲全集&序曲集- デヴィッド・ジンマン/チューリヒ・トーンハレ管弦楽団

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000F6YSSY/
何たって、ベートーヴェンの交響曲が全部入っててさらに序曲が色々入って2700円なんだから、超お買い得!

で、演奏だが、非常に爽快なベートーヴェンという感じだ。ベーレンライター新全集版という新しい楽譜を使用して演奏したらしい。実際の音としては、従来の演奏には聞こえなかった旋律がものすごく目だって聞こえるなどの効果が聞き取れる。例えば、最近の多くの交響曲の録音では、管楽器がソフトであまり聴こえない傾向がある。レコード時代の演奏では、かなり鋭い音がするのに、である。楽器の改良の結果、管楽器の鋭さがなくなってしまったのだろう。ジンマン指揮のこの演奏では、その管楽器の音がかなり目立つのだ。 おそらく、意図的にその鋭さを蘇らせたのだろう。他の歴史的巨匠との演奏と比較して聴いてみると面白いと思う。

爽快で新しいが、突飛なアイデアを試すというのではなく、ベートーヴェンの時代の響きを意識した(「オーセンティック」にこだわった)演奏だ。

ブラームス:VN・ソナタ1&2 – クレーメル/アファナシエフ

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FJKH/
クラシック界の鬼才・クレーメル(ヴァイオリン)とアファナシエフ(ピアノ)によるブラームス。極めて美しい旋律を表情豊かに歌い上げる。2人の相性もいいような気がする。

1番の「雨の歌」は、ポピュラー音楽でおなじみのベース順次下降ラインによるコード進行が特徴。それ故、クラシックファンでなくとも親しめる。 昔、とある音楽の先生が、「このコード進行はポピュラー音楽には数え切れないほどあるけど、ブラームスのこの曲にかなう旋律はない!」と語っていたことがある。まあ、どの旋律が好きかは人それぞれだが、確かにこの「雨の歌」が極めて美しい旋律であることには違いない。

第2番は跳躍進行による主題が魅力的な曲。筆者が感じるところでは、オクターヴ+1度すなわち9度の進行は、こみ上げる気持ちを高らかに歌い上げるために使われることが多い気がするのだが、これもまさにそんな感じだ。心に染みる。

更に、これだけの名曲・名演奏が1200円!絶対お買い得。

La Scala – Keith Jarrett

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000024SN9/
キース・ジャレットによる、オペラの殿堂、スカラ座でのソロ・ピアノ・コンサート。 筆者は個人的にキースの数ある名盤のなかから1枚選べといわれたら、これを挙げる。

キースのソロでは「ケルン・コンサート」が特に有名だが、これはそれをはるかに超える感動的な名演だと思う。心温まる優しいが、それでいて力強いメロディー、絶妙なハーモニーに引き込まれる。キースの歩んできた長い道のりが深みを増してここまで到達したのだろうか?「パリ・コンサート」や「ブレゲンツ」など素晴らしいアルバムは色々あるが、このアルバムには何か特別な魅力がある。

Part2はPart1とはうってかわってアグレッシブな感じ。

是非多くの人に知ってもらいたいアルバムだ。

パリ・コンサート- キース・ジャレット

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000793AZ6/
キース・ジャレットのパリでのソロ・コンサート(1988年)。この演奏の特徴は、バッハなど、バロック風のテイストが強いことだろう。対位法的な要素も感じられる。完全即興でこれだけ入り組んだ、完成度の高い音楽ができるということ自体驚異的だ。

さすがバッハへの造詣が深いキース・ジャレットだが、やはりジャズピアニストならではの響きが微妙に混ざり、美しい世界を作り出している。

数あるキースジャレットのソロ・コンサートの中でも、ベスト3に入る名盤だと私は思う。とにかく聴いてみるべし。

Best WishesII~Next Door -千住明

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0007IO0BU/
千住明さんの作品集。フルオーケストラの壮大な曲からピアノ中心のしっとりした曲まで、様々な内容を楽しめる。どうやらCMとかドラマとかのテーマソングらしいが、どれも「音楽作品」として素晴らしい。

蛇足だが、2曲目のピアノ協奏曲「宿命」、いい曲なんだけど、ベートーヴェンのピアノ協奏曲とか、チャイコフスキーの交響曲とかの旋律が所々聴こえてくる気がする。気のせいだろうか???