12音技法

シェーンベルクという作曲家が発明した、12音技法(ドデカフォニー)による音楽というのは、いわゆるハ長調、ト長調といった調性音楽とは異なる技法によって作られた音楽であり、まあいってみれば多くの人が「難解」というイメージを抱く音楽の代表格です。

かいつまんで説明すると、1オクターブの中の半音階全ての音(計12音)を並べる。これを音列といいます。この音列を基本に、反対から並べたり、転回したりしながら、曲を作っていくわけです。同音の反復はOK。

一昔前までは、私も嫌いだったのだが、とある事情で、ハ長調、しかもコードは2つしか出てこないような音楽ばかり聴く機会が多くなり、それはそれでなかなか疲れるのであります。分かりやす過ぎるのも、どうかという。。。その反動としてか、最近、シェーンベルクの音楽やウェーベルンの音楽が、心地よく感じるようになってきました。人間の感覚も、その時おかれた環境によって変わるものですね。

大ざっぱに言ってしまえば、クラシックの古典的なやつとか、ポップス、ジャズなど、世に広まっているメジャーな音楽は表向き違う響きに聴こえますが、根幹の理論はほぼ同じ「機能和声」の法則に従って出来ているわけです。多くの人が調性音楽を心地よく感じるのは、この「機能和声」のため。これらの「調性音楽」に物足りなくなったら、シェーンベルク以降の12音技法による音楽を聞いてみることをお勧めします。楽譜を読める人は、是非楽譜と共に聴いてみて下さい。「メチャクチャ」どころか、物凄く厳格な法則に則って作られていることが分かります。