ベルク:叙情組曲、シェーンベルク:浄夜

12音技法の作品は、なかなかとっつきにくい印象があります。やはり、クラシックであれ、ポピュラーであれ、調性音楽は人々の耳に心地良く聴こえ、音がどこへ向かっているのか分かりやすいということがあります。

そんな難しいと思われがちな12音技法ですが、その技法の用い方で響きが違ってきます。12音技法の代表的な作曲家は、シェーンベルク、ベルク、ウェーベルンでしょう。シェーンベルクは12音技法を発明した人。ベルクは調性感を残した12音技法で、独特な官能性を引き出しています。ウェーベルンは、何というか、ポツポツと音を置いていく感じで、正直最もとっつきにくい印象。

このCDは、ベルクの最初の12音技法作品である《叙情組曲》と、シェーンベルクがまだ後期ロマン派の作風で作っていた《浄夜》を収録しており、12音技法や無調音楽に馴染みがない人でも、割と素直に楽しめると思います!