The Out-of-Towners – Keith Jarrett/Gary Peacock/Jack DeJohnette

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キース・ジャレット、ゲイリー・ピーコック、ジャック・デジョネットという、ジャズ界最強のトリオによるCD。他のアルバム同様やはりここでも3人の素晴らしいインタープレイを繰り広げているのだが、ジャズ・スタンダード、フリー・インプロヴィゼーション、キースのピアノソロと、ヴァラエティに富んだ内容になっている点が本作の大きな特徴である。

トラック1のIntroでは、キースの極めて美しい即興フレーズにひきこまれる。ヴォイシングが素晴らしい。そのままビートに乗ってトラック2のスウィング感あふれる演奏へ突入。軽快な演奏が心地よい。

タイトル曲のトラック4は、ブルージーな音楽だ。個人的には正直、トリオのフリー・インプロヴィゼーションは聴きづらいと感じることもあるのだが、この演奏は途中で典型的なブルース進行が現れることもあり、結構聴きやすいと感じる。

最後のキースのピアノソロは、極めて美しいバラードだ。それまでは軽快でノリのいい曲が中心だったが、最後はしっとりとしたムードでアルバムを締めくくる。

グルダ ノン・ストップ-フリードリヒ・グルダ

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このCDの特筆すべき点は何といっても、1枚のCDの中にグルダのオリジナル曲からクラシック・ピアノの名曲、編曲ものが全て入っているという点だろう。

更に、これだけヴァラエティに富んだ内容が実に自然な流れの中で演奏されていくということも素晴らしい。オリジナルのモーツァルトらしい「アリア」を美しく聞かせたかと思えば、ジャズ風の「プレリュードとフーガ」の荒々しい演奏で意表をつく。続いてドビュッシー、ショパン、シューベルト等の名曲をきかせ、最後はヨハン・シュトラウスの自身による編曲版で豪快に締めくくるといった全体の構成も実に自然でかつ面白い。

とにかくグルダの多才ぶりをたっぷりと楽しめる1枚だ。クラシックファンでない人にもオススメ。

サムホエア・ビフォー- キース・ジャレット・トリオ

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1969年発表。1曲目にボブ・ディランの「マイ・バック・ペイジズ」をピアノ・トリオ・ヴァージョンで演奏している。キースのオリジナル作品にも通じる叙情的な旋律が心に染みる。

他は全曲キースのオリジナルだが、特に一番最後の「オールド・ラグ」が印象的だった。一応典型的なラグタイムのスタイルによる作品だが、爆発的なテンションでの演奏が素晴らしい。

後のキースの幅広い音楽性の一端が垣間見られる作品。