ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ- ラフマニノフ

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大作曲家であり、大ピアニストであるセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)の自作自演、アレンジものなどがクリアな音色で聴ける。

ピアノ・ロールのデータをコンピュータで読み取り、自動再生ピアノで再生させたらしい。

演奏自体は、大変素晴らしい。スケール大きく、表情豊かだ。「人類の歴史上、最もピアノがうまい人」として、「アート・テータム」と並んでしばしば「ラフマニノフ」は名前を挙げられるが、それもなるほど、とうなずける。

しかし、自動再生ピアノだからなのだろうか、非常に電気的な印象を受ける。ピアノの音色独特の深みはない。その欠点を除けば、「超うまいピアノ演奏」の一例として、持っていて損はなし!

Arvo Pärt: Fratres- Tamas Benedek

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独特の音世界によって聴く者を魅了するエストニアの作曲家、アルヴォ・ペルト(1935~)。旋律、リズム、ハーモニー、どれをとっても実にシンプルであるが、この人にしかない響きが素晴らしい。鐘が鳴り響くような独自の世界は「ティンティナリズム様式」といわれる。

このCDではそんなペルトの代表曲「フラトレス」の様々なヴァージョンを聴き比べることができる。個人的には、「チェロとピアノ」と「ストリングス」のヴァージョンが好きだ。旋律をたどれば、「ド♯レ ミ ファ ソ ラ シ♭ ド♯」でしかないのに、それが強烈な音楽になるのだから、すごい。

「フラトレス」以外にも、最後の「ベンジャミン・ブリテンへの追悼歌」がまた素晴らしい。これも旋律をたどれば「ラ ラソ ラソファ ラソファミ・・・」というように単純な下降音形でしかない。しかし、各パートの旋律のズレによって、非常に忘れがたい世界を作り出す。

これほど単純な音形でこんなに魅力的な世界をつくり出すとは・・・とてつもない作曲家だ。